キミに、愛と思いやりを
真っ白な気持ち 後編
花蓮side
「宇野くん、歩が手伝ってくれるみたい」
あたしは学校の授業を終えて、歩と一緒に宇野くんの姿を見つけてそう言った。
あたしの言葉に、宇野くんはのんびりと笑った。
「それはもう知ってる。ほんと助かるよ」
「えっ、そうなの!?」
歩、そんなことをあたしの前では一度も言っていなかったはず。
「そ! ほら、見てごらん」
自分の携帯を操作し、ひとつのメールをあたしに見せる宇野くん。
そこには確かに、
『宇野、ありがとう。宇野がいなかったら、花蓮を傷つけっぱなしだった。お礼といっちゃなんだけど、僕にも手伝わせてほしいよ』
という歩からのメッセージが書かれてある。
「ちょっと歩! なんで言ってくれなかったのよ!」
「理由はないよ」
「ないならちゃんと言ってよ」
「あのー……」
あたしと歩が、そんなやりとりをしていると、おずおずと宇野くんが呼びかけた。
……しまった、今日の晴翔くんと来翔くんの分の夜ご飯の材料を買わないとだよね。
「あっ! ごめん……」
歩が、とっさに謝った。
「じゃあ、行こう!」
あたしが、2人に言い、スーパーの方へ向かった。