キミに、愛と思いやりを
「全く誰なの。花蓮が告白を断ったって広めたの」
眉を寄せて、麗羅が小声で言った。
「まあでも、すぐにみんな忘れるよ。受験勉強があるから、きっとそれどころじゃなくなるって」
そうだ、受験勉強だ。
そうしたら、きっとこの話題は消えてなくなるかもしれない。
「うん、ありがとう。麗羅」
「小園たちも雑草抜くの、手伝ってくれー」
顧問の先生の声に、あたしと麗羅は側にあった草を抜き始めた。
「次は、何を植えるんだろうね」
あたしは話を変えた。
「そうだね、前は花を植えたから、野菜かなぁ」
麗羅も空気を読んでくれたので、なんとかその日は元気を取り戻せた。