キミに、愛と思いやりを
「兄ちゃん、花蓮お姉ちゃん!」
「その人、誰?」
歩を見て、パチパチと瞬きをする2人。
……瞬きのタイミングまで一緒とは、さすが双子。
「仙谷 歩。君らのお兄さんの友達で、花蓮お姉ちゃんの恋人」
歩がそう、あまりにストレートに言うもんだから、照れちゃう。
でも、ここで『ただの友達』と言われるのもショックだからなぁ。
「えっ、恋人なの!?」
「そ、そうだよ……」
「あれ、恋人って言わない方がよかった?」
小さい声で「そうだよ」と言うあたしに、歩はそう聞いてきた。
「えっ、本当は違うの?」
「そうじゃなくて……。こ、恋人、だよっ! ちょっと恥ずかしくなっちゃっただけ!」
「そっかぁ、じゃあこれからは恋人って言わないようにしとくね」
「だから、そういうことじゃなくて!」
そう、嬉し恥ずかしなだけ。
「あの、いちゃいちゃするのはここでは出来るだけやめていただけると幸いです」
急に、礼儀正しく言い出した宇野くん。
「あっ、ごめんなさい……」
これじゃあ、バカップルだ。