キミに、愛と思いやりを

「歩、宇野くん! 覚えてる? この子」



高校に入ってから、麗羅は歩や宇野くんとはじめて対面した。


あたしは、試しに麗羅の肩に手を置き、2人に聞いてみた。



「確か……服部、さん?」



「そうだよ!」



「そうだよ、仙谷くん、宇野くん! 服部 麗羅です、久しぶり!」



Vサインをして、いつものように茶目っ気たっぷりに挨拶をする麗羅。



「でも、どうして?」



「麗羅も、役に立ちたいっていうんだ」



「なんか……マジで申し訳ないな……」



決まり悪そうに、宇野くんは言った。



「気にしないで、あたしがやりたかっただけなんだから。申し訳なく思うのは、花蓮にだけこんなことさせたのだけでいいの!」



一言余計だよ、麗羅。



「うん、それもマジ悪かったって思ってるよ。小園さんには、だいぶ手を借りちゃったし……」



「そうそう! 花蓮もだよ。あんな風に教室でぐったりする前に、あたしに言ってよね!」



「はい……」



きついように聞こえたけど、頭の中でリフレインさせると本当に心強い言葉だった。


……これからは、みんなで頑張ろうね。




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