キミに、愛と思いやりを

「あれ?」



家の中に入ると、晴翔くんと来翔くんは麗羅を見て目を丸くした。



「あたしの友達の、麗羅だよ!」



あたしは、麗羅の肩に手を乗っけてそう言った。



「花蓮お姉ちゃんの友達かぁ……じゃあ、麗羅お姉ちゃんでいいね!」



「じゃあ、花蓮お姉ちゃんの恋人は歩お兄ちゃんだ!」



前々から思っていたけれど、2人のお姉ちゃん、お兄ちゃん呼びが本当に可愛い。

まだ小学2年生という小さな男の子の上、同じ顔の子で2人に言われちゃっているんだよ……。


母性がわく、ってこういうことを言うのかもしれない。



「俺、今日はバイトの用事あるから。ちょっと出ないといけないんだ……」



「うん、頑張ってきなよ」



宇野くんの言葉に、すかさず仙谷くんが頷いた。



「「行ってらっしゃーい!」」



あたしと麗羅で、手を振りながら宇野くんを見送った。




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