キミに、愛と思いやりを
あたしと麗羅と歩は、3人で分担をして家事をせっせとする。
晴翔くんと来翔くんも、あたし達のお茶を注いだりしてくれたので、びっくりするくらい楽になった。
「みんな、ありがとね」
「いいの、いいの!」
ガチャ、という音がして宇野くんが帰ってきたことがわかった。
「兄ちゃん、おかえり!」
「宇野くん、おかえりなさい」
「うん、ただいま。本当にありがとう」
「いいってことよ!」
ヒラヒラと手を振る麗羅の横で、あたしはうんうんと頷いた。
「じゃあ、あたしは先に帰ってるね!」
いつの間にか、麗羅は帰る準備を終えていた。
「れ、麗羅……?」
「花蓮と仙谷くんは、2人で帰んなよ! じゃあね!」
「えっ……ちょっ……。待っ……」
あたしの声を無視して、麗羅は先にドアを開けて出て行った。
「帰ろ、花蓮」
「うん!」
あたしも、帰る準備をして歩と一緒に靴を履いて外へ出た。