キミに、愛と思いやりを
「ねえ、花蓮、仙谷くん。2人とも、たまにはデート行ったら?」
2、3日経って、麗羅がいきなりそんなことを言い出したので、あたしの顔は熱くなった。
「えっ……でも、宇野くんが大変だし……」
「いいのいいの! たまにぐらい、1人でもあたしは大丈夫だよ!」
かっかっとほてる頰を抑えていたあたしの手を握りながら、麗羅は大きく頷いた。
「そ、そう……」
「俺も、服部さんの意見に賛成だな」
「宇野くんっ!?」
「小園さん、仙谷。たまには楽しんできてくれよ。いつまでも俺らの家にいないで、2人っきりでどこか行く時間だって、大事だろ?」
「花蓮、行こ」
歩が、いきなりあたしの方を向いた。
「歩……」
「せっかく2人がいいって言ってくれてんだからさ。しかも花蓮は、僕よりもはやくここにいて毎日頑張ってたんだから、少し甘えるのも大事だと思うな」
「だってさ、花蓮。彼氏さんの言う通りだと思わない?」
麗羅が肘でツンツンと、あたしの腰をこづいた。
「じゃあ、行きます……」
みんなの意見に押されて、あたしは気づけばそんなことを言っていた。