キミに、愛と思いやりを
ああ言った通り、日曜日にあたし達はデートに行くことにした。
「ふふ、お待たせ!」
今日のあたしは、髪を結んでいなくて控えめなレースのワンピース。
お母さんに「大人可愛い感じで行きたい!」と言ったら、このレースのワンピースを出してくれた。
うん、いつもより大人っぽい格好のできていると思う。
鏡でもくるっと回りながら、そう思ったんだもん。
歩もそう思ってくれるといいなぁ。
「花蓮!」
「じゃあ、行こっか!」
「あ、あと花蓮に忠告しておきたいことがあるんだった!」
誰もいないことを確認して、歩はあたしの両肩をガシッと掴む。
「服部さんに、僕の変なところ話さないでよ?」
じとーっとした目つきで、そんなことを言ってくる歩。
「ええっ、変なことなんて話してないよ! やだなぁ。あたしは歩のこと、変だと思ったこと一度もないんだけどなぁ」
「だけど、余計なこと言わないでね?」
あたし、何か変なことを言ったっけ。
それとも、麗羅があたしの知らないうちに歩とあったことをしゃべったのかな?
まぁ、いいか。
あたし達は、電車に乗って出発することにした。