キミに、愛と思いやりを

翌日、あたしはクラスの人達に話しかけられた。



「ねえ小園さん。どうして告白を断ったの?」



昨日までは、告白の話はクラスで無かったので、あたしはひどく吃驚した。



「そうだよ。宇野くん、非の打ち所がないんだから損することは絶対になかったのに」



「だったら、好きな人いるの? それだったら教えて」



あたしは数十人の女子たちに囲まれてしまった。告白を断った噂が、ここまで広まってしまったのか。


こんなの、本当に数ヶ月でなくなるのかなぁ。


あたしは溜息をついた。



「好きな人がいないから断ったの」



そう、あたしは好きな人がいないから告白を受け入れなかった。好きな人がいない。つまり、宇野くんのことも、そこまで好きではないということなのだ。




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