キミに、愛と思いやりを
こうやって休んだりするのは、楽なんだけどデートを終えて家にいると、だんだん心配の気持ちが大きくなってきた。
あたしも、宇野くんの方にはせめて夜ご飯を作る時だけでも行ったほうがいいかな。
あたしは、麗羅に電話をかけた。
『もしもし?』
「麗羅……」
『ああっ、花蓮! どーお? 仙谷くんとのデートは楽しめた?』
「うん、楽しめたんだけど……」
『「けど」って、トラブル起きたの?』
「全然そういうことじゃなくて。あたしも、夜ご飯作りに行った方がいい?」
『ぜーんぜん大丈夫! 言ったでしょ、たまには休みも必要だって。今日は、あたし達のことは忘れて!』
電話の向こうで、あっけらかんと笑う麗羅。
「でも……」
『花蓮が今日あたしがやっているようなこと、毎日してた時があったんでしょ。たまにはこういうことさせとかないと、あたしとしての気も済まないんだから!』
「そっか……」
こういうことを言われたら、もう何も言えないな。
あっ、そういえば歩や麗羅といえばあのことが気になったんだった。
「ところでさ、麗羅」
『んー?』
「歩になんか話した? あたしが麗羅に歩のことについて言った内容」
『ああ、言ったよ! 色々! 仙谷くんは、高校でも結構女の子から告白されてたこととかね!』
そういえば、本当に色々言ったんだった……。
確かに、こりゃあ歩も恥ずかしくなるな。