キミに、愛と思いやりを
「どうだった?」
月曜日。
あたしは、ホームルームが始まる前に麗羅に昨日の晴翔くんと来翔くんの様子を聞いてみることにした。
「やばいよ、やばいよ! すごく可愛い! 麗羅お姉ちゃんって呼ばれちゃった上に、あたしが作ったチャーハン、めっちゃ美味しそうに食べてくれた!」
麗羅の茶色い瞳に大きな光が浮かんでいる。
「良かったじゃーん!」
「だから、これからもあたしに任せてデート行きたい時は行きなよ!」
ばん、とあたしの肩を叩いた麗羅。
「気持ちはありがたいけど、あたしは宇野くんのお母さんにも『任せてください!』って言っちゃったし……」
「とはいっても、仙谷くんと自由に行きたい気持ちもあるでしょ! あたしに任せてよ。親友なんだから、ね?」
だけど、何を狙っているのか、あたしには分かっちゃうんだな。
晴翔くんと来翔くんの可愛い笑顔が頭から離れないのか、麗羅の顔はまだふにゃふにゃしている。
「ねえねえ麗羅。それって、また昨日みたいなことがあったらいいなぁーって考えたりしてるからでしょ?」
「あ、バレた?」
「バレるよ。だって、親友なんだから」
あたしと麗羅は、声をたてて笑った。