キミに、愛と思いやりを
4日後、みんなで宇野くんのお母さんのお迎えに行くことになった。
いきなり大人数で、行くことになったので少しびっくりしていたお母さんに宇野くんは手短に話していた。
「退院、おめでとうございます!」
「本当にありがとうございました。もう、なんとお礼を言えばいいのか……」
あたしの言葉に、宇野くんのお母さんは深々と頭を下げた。
「いえいえ、力になれてとても嬉しいです」
歩が、大人びた微笑みで言う。
「母ちゃん、退院!?」
「やったー!」
後ろから追いついてきた晴翔くんと来翔くんは、あたし達の会話を聞いて理解したのか飛び上がって喜んだ。
「あ、でも花蓮お姉ちゃんがうちに来ないってことだよね?」
その言葉で、2人はしゅんとなってしまった。
「また、遊びに来るね」
「ぜひ、来てちょうだい!」
「それはダメだよ、小園さん」
宇野くんのお母さんも目を輝かせたけれど、宇野くんの言葉で首をかしげた。
「え?」
「そんなことより、仙谷との時間を大事にしないとじゃん」
「あら、どういうこと?」
宇野くんのお母さんの目は、ますます丸くなっている。
「言ってもいい?」
「あっ、自分で言うから大丈夫。わたし、仙谷くんとお付き合いしていまして……」
あたしがそう言うと、歩も照れくさそうにしていた。
麗羅は、それを見て顔がニヨニヨしている。
「まあ! そうだったのね!」
「えー、俺ら花蓮お姉ちゃんの料理食べたい!」
「バカ言うなよ、おまえら。小園さんには、それよりもっと大事な用事があるんだよ。その大切な時間を、おまえらが邪魔したらダメなんだよ」
少し寂しいけれど、宇野くん、晴翔くん、来翔くん、よかったね。