キミに、愛と思いやりを
「今日もメッセージ送っといたよ」
「どうなの、今日の連絡は?」
あたしが聞くと、何も言わないで歩はあたしにスマホを見せた。
いつもの励ましと、それから何気ない学校生活のメッセージだった。
下には、返信がなかった。
「そっか……」
「ちょっとしつこいかもしれないんだけど、このままにしてるのは絶対に良くないことだし」
歩の言葉にあたしは、うんうん、と頷いた。
「宇野くんとは直接会えなくてもいいから、晴翔くんや来翔くんになら会えるかな……」
「多分……。でも、多分なんだけどああいう宇野を見て2人も辛い思いしてるんじゃないかな。なんていうか、宇野はあの子達にとってお父さんみたいな存在だったんだよね? ああいう姿、今まで2人が一度も見たことがなかったとしたら……」
確かに、いつもたくましく面倒を見てくれているお兄さんがショックを受けてふさぎこんでいると、晴翔くんも来翔くんも寂しいだろうし、心配しているだろうな。
「あたしもそう思う……」
足元にある雪は、太陽の光を受けて銀色に光っている。
青くて、純粋に輝いている青空とあたし達の気持ちは全くの正反対だった。