キミに、愛と思いやりを
「花蓮お姉ちゃん達、今日なんで来たの?」
何も知らない晴翔くんと来翔くんは、きょとんとしている。
まあ、宇野くんに何があったのか分かってもあたし達は無関係だからね。
「それが……」
あたしが言葉を詰まらせると、2人はますます不思議そうに顔を見合わせている。
「明のことで、来てくれたんだろ」
すらすらとそんな言葉を、宇野くんが口を開いて出した。
思っていたよりもずっと、言いやすそうにしていたことで、あたしは思わず顔を上げた。
それが、うん、という答えだと思ったのか宇野くんは寂しそうに微笑んだ。
「やっぱ、そうだよな。あんなことしたから、2人にはかなり心配もかけたし、悲しみも背負わせちまったな。本当にごめん、2人とも」
「確かに心配はかけたけど、謝ることじゃないよ」
歩は、宇野くんに口元に微笑みを浮かべ、あたしも隣でうんうんと頷いた。
「誰も悪くないよ。むしろ、あたし達はそれでよかった。友達が大変な状態になっていたら、放っておきたくないもの。だから気にしないでいいの。悲しみはみんなで背負うべきものだから」
「小園さん……」