キミに、愛と思いやりを
あたしは部活の帰りに花屋には寄らず、公園のベンチに座った。桜が夕日を遮っている。
明日だって、囲まれる生活だろうなぁ。もう嫌だ。
しばらくして、小園さん、と頭上から声がしたので、見上げると仙谷くんが立っていた。しかも、まだ制服を着ている。
「告白の噂で、悩んでいるんだね。こっちのクラスもすごいよ」
「やっぱりそうだよね」
もう仕方ないと思った。よく考えると、ある女の子が人気の高い男の子の告白をされただけでもニュースにされるのに、断るだなんて、誰だって驚くことだ。
「答えなくて、いい」
「え」
「されたくない質問なんて答える必要はないよ。そしたら、自分のストレスが溜まるだけ」
確かに仙谷くんのいう通りだ。
今日は、そのせいでストレスが溜まってしまった。