キミに、愛と思いやりを
歩side
今日は、クリスマスイブだ。
窓を見ると、雪が積もっていてまだ粉雪はふわふわと降っている。
下では、いろいろなところでクリスマスツリーが飾ってあったり、イルミネーションが置かれてあったりしている。
僕も今日は、父さんと母さんでクリスマスパーティーをするため、仕事中の親に代わってその準備をしている。
ピー、ピー。
オーブンが鳴った。
中を覗いてみると、母さんが作ったミートパイはこんがり焼き上がっている。
ドアが開いて、僕の母さんが帰ってきた音がした。
「ただいま、歩」
仕事で疲れたのか、母さんはふうふう言っている。
「おかえり、はやかったね、母さん」
「ええ、思っていたよりもはやく仕事が終わってね。ミートパイは焼けたかしら?」
「うん、綺麗に焼けてるよ」
僕はそう言いながら、母さんにミートパイを見せた。
それを見た母さんは、満足したようにふんわり微笑む。
「そう、じゃあ後はお父さんが帰ってくるのを待つだけね」