キミに、愛と思いやりを

「お待たせしました」



ウェイトレスの人が、頼んだパンケーキを運んできてくれた。


スクランブルエッグとベーコンが添えられた、きつね色のパンケーキ。



「いただきます!」



花蓮は、ぱちんと手を合わせて早速手をつけ始める。


口の中に小さく切ったパンケーキ、スクランブルエッグ、ベーコンを押し込む花蓮。

僕も大口を開けて、その3つを食べた。
パンケーキは、スイーツ系で食べたときはふわふわだったけれど今回の食事系のはもちっとしている。


2人でひとつのパンケーキを食べるということなので、あっという間に完食してしまった。


花蓮を見ると、口元にスクランブルエッグがついている。



「ん?」



僕は花蓮の方に近づき、ナプキンで口を拭く。



「またついてた。花鳥園の時と同じように」



恥ずかしくなった花蓮は、顔が真っ赤になった。


もう少しだけ、からかってみようかな。



「拭いてもらったのに、お礼も言えないの?」



真っ赤になった顔のまま、無理やり口角を上げるようにする花蓮。



「……ありがとう」



「どういたしまして」



僕と花蓮は、その場でクスクスと笑った。




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