キミに、愛と思いやりを
翌日。
休日ということで、私はゆっくり寝ることにした。
「うーん……」
今は、何時だろうと思って時計を見るとまだ6時55分だ。
愛香は、まだ寝ているだろうな。
「あれ?」
そこにいるのは、歩しかいない。
おかしい、いつもならここに歩だけじゃなくて愛香もいるはずだ。
「花蓮、どうかした?」
私と同様、起きたばかりの歩は目をこすりながら不思議そうに尋ねる。
「愛香がいないの……!」
「え!?」
愛香がいない。
今日は、幼稚園もお休みのはずだ。
ドタドタと足音が聞こえてきた。
「パパー! ママー!」
まだパジャマ姿の愛香が、ドアを勢いよく開けてきた。
「愛香、まだ朝早いわよ。そんな大きい声は出しちゃダメよ」
「おそと、おそと! おそと、みて!」
ダメだ、こりゃ。全然話を聞けていない。
「分かった。お外よりも、朝ごはんね」
「うん!」
愛香に続いて、歩と私はのそのそと食卓のほうへ向かった。