キミに、愛と思いやりを
仙谷くんと別れた後、あたしは下校中に宇野くんに話しかけられた。
「俺、小園さんに話したいところがあるんだ」
あたしは、宇野くんに近くの公園の木の下まで連れていかれた。
横で歩いている宇野くんの顔は疲れている。どういうわけか、いつも彼は疲れたような顔をしているのだ。それも分からないまま、卒業を迎えてしまったな。
「やっぱり、俺はダメ?」
突然、あたしの目をみた宇野くん。
「小園さんさ、外に咲いている花を本当に優しい目で見ていたりとか、花が開いたみたいに明るくて無邪気なところとか」
結構、宇野くんには色々なところを見られていたんだ。
「……そんな小園さんは、本当に魅力的だなって思った」
「宇野くん……」
「でも、やっぱり俺は小園さんのそばにいる男になっちゃダメ?」
普通だったら、こんな告白、受け入れるのかな。はたからすれば、ロマンチックなんだろうけど、あたしはなんだか悲しくて、今にもまた涙が溢れそうで。