キミに、愛と思いやりを
花蓮side
【黄色い声にかき消され】
仙谷くんとは、別れてしまった。
今でも部屋に隠してある、約束の紙。
今日は、高校の入学式だ。
中学校ではセーラー服だったけれど、高校はベージュのブレザー型の制服。
大人っぽいけれど、胸元に赤いリボンがついていて、女の子らしくて可愛い。
制服が違うだけなのに、着ただけでも本当に高校生になったんだなぁ、と思ってしまう。
「花蓮? 制服着れた?」
部屋のドアが開いて、お母さんが顔を出してきた。
「うん、お母さん」
あたしは、振り向いて返事をする。制服をばっちり着れたあたしを見て、お母さんはにこっと笑う。
「似合ってるわね、可愛いわよ」
「えへへ、ありがとう! お母さん」
そうだ。まだ髪を結んでなかった。
あたしは、すぐに洗面所へ行って髪を結ぶ。制服は当然変わったけれど、髪型は今まで通り、耳の下で二つ結びにした。中学校では、絶対に髪をまとめないといけなかったからね。あたしが行く高校では、そんなことはないらしいけれど、今まで通りの方が自分らしいと思ったから。
仙谷くんとは、別れてしまった。
今でも部屋に隠してある、約束の紙。
今日は、高校の入学式だ。
中学校ではセーラー服だったけれど、高校はベージュのブレザー型の制服。
大人っぽいけれど、胸元に赤いリボンがついていて、女の子らしくて可愛い。
制服が違うだけなのに、着ただけでも本当に高校生になったんだなぁ、と思ってしまう。
「花蓮? 制服着れた?」
部屋のドアが開いて、お母さんが顔を出してきた。
「うん、お母さん」
あたしは、振り向いて返事をする。制服をばっちり着れたあたしを見て、お母さんはにこっと笑う。
「似合ってるわね、可愛いわよ」
「えへへ、ありがとう! お母さん」
そうだ。まだ髪を結んでなかった。
あたしは、すぐに洗面所へ行って髪を結ぶ。制服は当然変わったけれど、髪型は今まで通り、耳の下で二つ結びにした。中学校では、絶対に髪をまとめないといけなかったからね。あたしが行く高校では、そんなことはないらしいけれど、今まで通りの方が自分らしいと思ったから。