キミに、愛と思いやりを
あたしと麗羅がピースサインをしたことを確認して、お母さんはシャッター音を鳴らした。
「2人ともバッチリよ」
「ありがとうございます」
麗羅は軽くお辞儀をした。
「お母さん、ありがと!」
「じゃあ後でね、花蓮。麗羅ちゃんも」
お母さんは会釈して、入学式の保護者の席へ向かった。
「じゃあ、そろそろクラス見に行こ!」
「うん、そうだね!」
あたし達は、先生に名簿の紙をもらってから、一緒に見始めた。
「えーっと……。ああああ! 花蓮、C組だよ!」
麗羅が指差したところをたどっていくと、確かにC組の名簿に『小園 花蓮』と書かれてある。
「え! あたしがC組で、麗羅が……。ああ!」
C組の名簿の紙の下あたりに『服部 麗羅』と書かれてある。
「や……やったね! 麗羅!」
あたしは、さっきの倍ほど声を張り上げてしまった。
「うん、花蓮と一緒!」
麗羅の声も大きくなっている。
けれど、他の人の声にかき消されたみたいだ。そのことに気づいたあたし達は、その場でハイタッチをした。