キミに、愛と思いやりを
とうとう入学式が始まった。
A組、B組と色々な人が名前を呼ばれていき、ついにC組の番になった。
1番、2番、3番……。
どんどん新しいクラスメイトの人は返事をして立ち上がっていく。
「木田 芹那(きだ せりな)」
「はい!」
あたしの隣の人が呼ばれた。あたしは、さらに緊張が高ぶる。
「小園 花蓮」
「はい!」
なんとか声は裏返ることなく返事ができた。あたしは、そっと胸をなでおろした。
その次も、あたしの右側に座っている人達も呼ばれてくる。
「服部 麗羅」
「はい!」
麗羅も緊張で声が裏返ることなく、ちゃんと返事ができた。
全員が呼ばれた後、先生の「全員、着席してください」という声がして、あたし達は座った。
小学校でも中学校でも、同じだったけれど高校でも校長先生の話は長い。しっかり聞かないといけないのに、無意識にぼーっとしてしまって、頭に入ってこない。