キミに、愛と思いやりを
違う学校の制服を着た、3人の女の子がいた。
……なんか、どこかで見たことがある。
そして、しかもあたしの方に向かってきているように見える。
「ちょっと、あなた」
「あなたってここの学校に通ってたんだね?」
「……!」
そういえば、この人たちは仙谷くんとよく一緒にいる女の子だ。
遠くから見ていたし、制服も声も全く同じ。
あたしが彼女らのことを見ていたところは、女の子たちにもバレている。
間違いない。
「いっつもあなたってあたし達のこと見てるもんだからさ」
「あっ……」
「ちょっとそれで気になってさぁ。何の用なの?」
「ごめんなさい……。なんでも」
彼女らをすり抜けて、あたしは早足で帰ろうとした。
「ちょっと待ちなよ!」
3人のうち1人の女の子が、少し大きい声を上げ、思わずあたしの肩がビクッと震えた。
「は……はい?」
あたしは、顔だけ後ろに向けた。
「もしかして仙谷くんの知り合いとか?」