キミに、愛と思いやりを
声まで似てる?
ほ、本人なの……?
「仙谷くん……なんで……?」
「『なんで』ってこっちだってそうだよ。気持ち、変わっちゃったの?」
「……気持ち?」
「僕と小園さん、約束したじゃん。今日、チューリップの球根を植えようって、卒業式の時に」
彼の手に握られているのは、チューリップの球根が入った袋。
……やっぱりこの人、仙谷くんだ。
だったら、なおさら話すわけにはいかないよ。
「あたしのところなんかに、来なくていいよ」
あたしの口から出てきたのは、黒く濁った言葉だった。