キミに、愛と思いやりを
「あたし、仙谷 歩くんと付き合えることになりました」
翌朝、あたしは教室で麗羅に報告をした。
「おー、おめでとう! 花蓮、良かったねえ!」
むぎゅうっと、麗羅は抱きついてきた。
「ふふふっ、ありがとう麗羅」
「花蓮、やっぱり両思いだったんだね。可愛い花蓮の王子さまは、仙谷くんがぴったり!」
おっ、王子さま!?
その瞬間、あたしの顔はカァーッと熱くなった。
「王子さま、とかそういう言い方やめて! なんか恥ずかしいから!」
「いいじゃん、いいじゃん! 仙谷くんだって、花蓮のこと『自分だけのお姫さま』って思ってくれてるに違いないよ!」
そう言いながら、あたしの肩をばんばんと叩く麗羅。
「そんなこと言われても〜!」
顔はゆでダコみたいになっていたことが自分でもわかるくらい、熱かったけれど本当に嬉しかった。