キミに、愛と思いやりを

「花蓮、よかった!」



真凛ちゃん達を見送った後、歩が走ってくるのが見えた。



「歩、どうしたの?」



「あのさ、さっそくなんだけど、デート行かない?」



小さい声だったけれど、あたしにはちゃんとそう聞こえた。



「デート!?」



「うん、いい場所を見つけたんだ」



歩はスマホを取り出し、タップしてあたしに画面を見せてくれた。



「ここ、花蓮気にいるかなって思ったんだけどどうかな?」



画面に写っていた場所は、花鳥園だった。
カラフルな花に、カラフルな羽根をした鳥を見て、あたしは目を惹きつけられた。



「すごく綺麗!」



「花蓮がいいなら、デートはここがいいなと思ったんだけど、ここに決めていい?」



「うん、もちろん!」



花鳥園、か。
なんだか、歩らしいな。




< 69 / 167 >

この作品をシェア

pagetop