キミに、愛と思いやりを
「花蓮、よかった!」
真凛ちゃん達を見送った後、歩が走ってくるのが見えた。
「歩、どうしたの?」
「あのさ、さっそくなんだけど、デート行かない?」
小さい声だったけれど、あたしにはちゃんとそう聞こえた。
「デート!?」
「うん、いい場所を見つけたんだ」
歩はスマホを取り出し、タップしてあたしに画面を見せてくれた。
「ここ、花蓮気にいるかなって思ったんだけどどうかな?」
画面に写っていた場所は、花鳥園だった。
カラフルな花に、カラフルな羽根をした鳥を見て、あたしは目を惹きつけられた。
「すごく綺麗!」
「花蓮がいいなら、デートはここがいいなと思ったんだけど、ここに決めていい?」
「うん、もちろん!」
花鳥園、か。
なんだか、歩らしいな。