キミに、愛と思いやりを
「へぇー! 明日、デートなの? 何時頃?」
デートの前日の放課後、あたしは麗羅と帰り道を歩きながら話していた。
「12時半からだよ」
「じゃあ、メイク教えてあげようか?」
「いいの!?」
メイクだなんて、あまりしたことがないからわかんない。
でも、できればメイクをしてみたいな。
歩の前では、絶対に可愛い女の子であり続けたいから。
「もちろん! あたし、将来メイクアップアーティストになりたいから、練習になるよ!」
「本当に? 嬉しい!」
「あたしこそ! じゃあ、待ってるね!」
「うん、楽しみにしてるよ!」
メイクかぁ。
実を言うとあたしは、七五三くらいでしかメイクしたことないんだよなぁ。