キミに、愛と思いやりを

ハンバーガーショップに入ると歩は、椅子を引いて座らせてくれたり、トレイを持ってきてもらったり……。


まるで、お姫さま扱いだ。


ん?
お姫さま?



『可愛い花蓮の王子さまは、仙谷くんがぴったり!』


『仙谷くんだって、花蓮のこと「自分だけのお姫さま」って思ってくれてるに違いないよ!』



あたしったら何、麗羅の言葉を思い出してるんだろう。
こんなの、今思い出したら恥ずかしすぎて胸の鼓動がすっごくうるさくなる。



「花蓮、食べないの?」



「ううん、食べるよ!」



あたしはそう言いながら、りんごジュースを飲んだ。




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