キミに、愛と思いやりを

ハンバーガーを食べた後、あたし達は花鳥園へ行った。



「ここら辺に花鳥園があるなんて、知らなかったなあ」



「僕もつい此間知ったからね。だから花蓮と一緒が良かったんだよ」



緑色の葉を色とりどりに彩った花々。
鳥たちの合唱。



「わあ、この花きれい! あっ、あの鳥、可愛い!」



その景色は、あたしの心や足を弾ませた。



「速い、速い!」



後ろからついてきた歩は、あたしの手首を掴んだ。



「迷子にならないようにね」



「あ……。うん、ごめん」



全く、あたしは何をやっているんだか。
これがお姫さまなのだとしたら、世界一おしとやかじゃないお姫さまだ。




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