キミに、愛と思いやりを
2人で花鳥園に入り、歩いているとふくろうが何羽かいた。
ぼーっとした顔つきで、こっちを見ている。
「わー、可愛い!」
「腕に乗せること、できるんだよ。乗せてみなよ」
あたしの反応を見るのが楽しんでいるように笑いながら、歩が言った。
「えっ、でもこわいよ?」
「大丈夫。ふくろうは、おとなしいから」
思わずあたしは、言われるがままに白いふくろうを腕に乗せた。
「お、おっきい……」
最初から大きいのは分かっていたけれど,腕に乗せるとさっきよりも距離が近いので余計に大きく見える。
まだビクビクしているあたしを見て、歩は、くすくす笑っている。
「そんなビクビクしなくていいでしょ」
「歩も、乗せてみなよ」
「僕? じゃあ、このふくろう」
歩はそう言って、茶色い毛をした、あたしの腕に乗っているふくろうより少し大きい子を腕に乗せた。
「歩もちょっと震えてるよ」
今度は、あたしがくすくす笑う番だった。