キミに、愛と思いやりを

花蓮side

【真っ白な気持ち】


「どうだったの? 仙谷くんとのデートは?」



歩とデートをして、2日後の放課後。


帰る道を歩いている中、麗羅があたしにそう問いかけてきた。



「楽しかったよ! 結構写真撮ったんだけど見る?」



「見せてよー!」



あたしはスマホをタップし、麗羅に写真を見せた。



「うわ、その鳥とかめっちゃ綺麗じゃん!」


「でしょー!?」



「何、これ。ふくろう腕に乗せたの!? いいなぁ、あれ、でも花蓮ちょっとこわがってない?」



冷やかすような目で、麗羅はあたしを見つめてきた。



「だって、このふくろう大きかったんだもん」



「ごめんごめん。でも、あたしもはやく彼氏ほしいなー。花蓮、羨ましい……」



楽しそうな表情をした後、麗羅はちょっと寂しそうに言った。



「麗羅にだってできるよ! あたしができたんだもん!」



「でもうちのクラスは、誰もあたしに脈アリな行動見せてこないよ」



「麗羅が気づいてないだけかもしれないよ? しかも、うちのクラスじゃなくてもしかしたら他のクラスの同級生っていうのも良さそうじゃない? ひょっとしたら先輩とかも……」



先輩かあ、と呟く麗羅。
よくマンガでもあるよね。イケメンな先輩を女の子が眺めてる時に話しかけられちゃうっていうやつ。


麗羅……マンガの主人公みたいに可愛い顔をしているから、良さそうなんだけどな。




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