キミに、愛と思いやりを
スーパーに入り、あたしはカートも取っていろいろまわった。
「あっ、合い挽きが安いや」
「あの、小園さん? 何やってるの?」
合い挽きをカートの中に入れているあたしに、宇野くんはおずおずと話しかけている。
「宇野くん、弟さん達に今日からちゃんと栄養のあるご飯作らなきゃだよ!」
「いや、でも……」
「そんなおどおどしてるけど、このままじゃお母さんだけじゃなくて弟さんや宇野くんまで病気になっちゃうでしょ!? 本当に栄養のあるもの食べさせないと!」
何、栄養士の人みたいなこと言ってるんだ自分、と思ったけれど、本当に今の宇野くんの家庭は危ない。
「は、ハイ……」
あたしは、他に買えそうなものを買って宇野くんに家を案内してもらった。