キミに、愛と思いやりを

宇野くんの家に入ると、同じ顔をした男の子が2人リビングにいた。



「兄ちゃん、その人誰?」



あたしの顔を見て、その双子の男の子は目を丸くしている。



「兄ちゃんと同い年の、花蓮お姉ちゃんだよ。今日から兄ちゃんじゃなくて、花蓮お姉ちゃんが晩飯作ってくれるから、おまえらちゃんと食べろよ」



「やったー!」



男の子は2人とも喜んでいる。
よっぽどお腹が空いているんだな。


宇野くんと同様、身長にしては痩せている。



「ここ最近、ずっとインスタントラーメンとかコンビニのおにぎりとかだったから……」



「本当に、それは栄養が偏るし良くないよ!」



あたし、さっきから同じような話を何回も聞いている気がするのにずっと似た反応をしているよね。


まあでも、間違ったことを言っているわけじゃない。


はやくご飯を作って、宇野くんや弟さんを助けなくちゃ!



「うん。でも俺じゃ、本当作れないし……」



「でももう大丈夫! あたしが、ちゃんと作って助けてあげるから!」



あたしは、せっせと料理を始めた。




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