キミに、愛と思いやりを
歩side
「仙谷くーん、明日ね!」
「バイバイ、仙谷くん!」
隣のクラスにいる女の子たちが、僕に手を振っている。
「うん、じゃあまた明日」
僕も手を振りかえして、校門を出た。
しばらく歩いていると、少し離れたところで話し声が聞こえた。
あれ? あそこにいるのは、花蓮?
隣で歩いているのは、誰だろう。
同じ学校の人?
でも、着ている服装が全然違う。
しかも明らかに学校の制服、という感じではない。
「宇野くん、今日も大変だね」
「小園さんが手伝ってくれてるから大丈夫」
宇野?
そういえば、中学時代にサッカー部の部長を務めていた人の名前が、宇野 翔太(うの しょうた)。
そいつと、今の人の声は全く同じだった。
なんだ、あの宇野だったのか。