アンバランスな苦悩

休日

光汰の大学が決まった

希望通り
地方の大学となり

実家を離れるとこととなった

家にはお袋一人になる

俺が桜さんのところに行き
光汰は大学に行くために
一人暮らしをする

母親は俺らよりも一足先に
父親の単身赴任先である

イギリスに行くと言った

今日は空港まで
母親の見送りに行く

助手席にはスミレ

後部座席には
光汰とマコと
お袋が

苦しそうに座っている

「何で
マコとスミレまで
来るんだよ

ガソリンが勿体ない!」

俺が車の中で
叫ぶ

「だって
空港の帰りに
美味しい料理を
御馳走してくれるんでしょう?

おばさんが言ってたよ」

マコが嬉しそうに言う

「は?」

「たまには御馳走してあげたら?
瑛汰だって
家を出るんだから」

「いや…
だから何でマコに?

俺の金が勿体ないじゃん」

「スミレなら良いわけ?」

「もちろん
俺の愛しの姫だから」

「うわ
気持ち悪ぅ~

料理がまずくなりそう」

「なら
帰れ

今すぐ
おろしてやる」

「高速に
可愛い私と置いていくって言うの?」

「どこが
可愛いんだよ」
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