アンバランスな苦悩
「受験生の弟がいるって
忘れてるでしょ?」

夕食を食べ終わった光汰が
俺の軽食を持って
部屋に入ってきた

夕食を食べなかった俺に
菓子パンを一つ恵んでくれた

「悪いな
つい…またマコに怒られる

前はスミレの試験前だっただろ
今度は光汰の試験前だ」

「僕はいいけど
浪人したら
マコ姉が怒るよ」

「光汰は頭がいいから
どこかの大学には受かるだろ?」

「スーちゃん
兄貴のこと、まだ拒否してるんだ」

「拒否と言うな
体以外の愛を
大切に育んでいると言え」

「自分で言ってて悲しくならない?」

「悲しくなっている男に
突っ込みを入れるな」

光汰が肩を震わせて笑った

光汰はマコの気持ちを知って
受け入れた
どんな想いで
マコを抱いたのだろうか

「抱きたい」

「兄貴は猛獣すぎるんだよ
もっと紳士にふるまえば
きっとスーちゃんはすぐ…」

「足を開く性格かよ」

「そういう発言が
スーちゃんの気持ちを
萎えさせるの」

「紳士ね~
俺ってふしだらに見える?

これでもかなり真面目だと思うだろ?

イケメンにしては
遊ばず、スミレ一筋だ」

「母さん
引っ込みがつかないだけだと
思うよ」

光汰が真剣な表情になった
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