アンバランスな苦悩
午後5時半

正門前に
桜さんの赤い車が止まった

保健室から
正門が見える

赤い車も

気持ちが重くなった

『嫌だぁ

桜さん



怖いよ
嫌だよ

離れてよ』

幼いころの自分の悲鳴が
耳の奥で
再現された

俺は携帯と家の鍵
財布を持って

保健室の鍵を閉めた
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