アンバランスな苦悩
「瑛ちゃん
今、なんて言った?」

「桜さん
もう終わりしようよ

こんな関係良くない

マコやスミレが悲しんでるのに
俺、こういうのは嫌だよ」

裸でベッドに横になっている
桜さんに言った

このベッドで
桜さんは旦那さんと寝ている

マコやスミレも
このベッドで
テレビを見たり
家族の会話をしたり
しているのかもしれない

そう考えると
急に罪悪感が生まれた

「そう
瑛ちゃんは私の気持ちより
マコとスミレの気持ちを優先するの」

桜さんの声が
すごく低くなった

「優先っていうか
こういうのって
世間一般で考えてもおかしいよ


桜さんと関係をもつべきじゃないって
ずっと思ってたけど

でも言えなくて」

「私の体が
気持ちよかったからでしょ?

いいのよ
無理しなくて」

桜さんは
俺の体を触る

せっかく着た服を
脱がそうとする

「気持ちいいけど

でも違うよ
これはいけないことだ

俺は桜さんとはもう寝ない」

< 42 / 114 >

この作品をシェア

pagetop