アンバランスな苦悩
「何から話せばいい?」

「全部よ
最初から最後まで

この私が納得するまで
話しなさい」

俺は大きく息を吸うと
話し出した

真実を

13歳のときから
秘密にしていた
桜さんとの関係から

スミレやマコの命が狙われたこと

お仕置きだと言って
俺が桜さんに
斬られたこと

それから男と別れるたびに
桜さんが
俺の前に現われて
関係を迫ったこと

全部、話した

桜さんの元カレに
刺されたことも

「もしかして
2月に家を出るのって

お母さんのせい?」

「ああ」

「最低」

「わかってる」

「不潔よ」

「そうだな」

「それで
私たちを守っているつもりでいるのが

自己満足すぎて
頭に来るわ

そんなことをされて
私たちから感謝されると思ってるわけ?」

「思ってない」

「じゃあ
何で、一人で突っ走るわけ?

意味がわかんない」

「わからなくていい
俺のただの自己満足だから」

「それがむかつくって言ってるの!」
< 84 / 114 >

この作品をシェア

pagetop