アンバランスな苦悩
そんな風に言われたら

俺だって
我慢できなくなる

どうして

離れようとすると
俺にしがみ付いてくるんだ

どうして…

俺を憎んでくれない

その純粋な目で
俺を見ないでくれ

俺を求めないでくれ

頼むから

俺を……

「今日、早く帰ってきたのわね
ちゃんと理由があるの

先輩に誘われたの

もちろん抱かれようと思った
抱かれれば
瑛ちゃんを忘れられるって

思ったけど

できなくて

急に先輩の手が気持ち悪く
感じた

ベッドの上にいるのに

怖くて
涙がこぼれた

瑛ちゃんがいいって
叫びたくなってた

先輩は笑顔で許してくれたけど

続きはできなかった

気まずくなって

逃げるように
今日は帰ってきたの」

「見ただろ?
俺は…」

「全部
お姉ちゃんから聞いた」

今日は話さないって言った
約束すら
マコは破ったのかよ

話すんじゃなかった

「全部理解してるから

2月まで
私を抱いて

そしたら
私、瑛ちゃんを忘れて

先輩のところに行くから」
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