アンバランスな苦悩
「約束するから

ね、瑛ちゃん

大丈夫だよ
私は誰にも言わないし

瑛ちゃんの迷惑にならないように
ちゃんとするから」

俺はスミレを抱きしめた

ずっと夢だった
スミレを抱きしめた

冷たくなっているスミレは
俺の体の中でも
震えていた

寒いだけ
と言っていたけど

怖さもあったのだろう

「瑛ちゃんのベッドって
瑛ちゃんの匂いがする」

なんて言って笑う
スミレが
可愛かった

愛おしかった

離したくなかった
ずっと
ずっと

俺の腕の中にいてほしい

俺は
外が明るくなっても
スミレを離さなかった
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