魔法の使い方
二章
ミーナが迷子になってからしばらくの内。エノテラ通りは相変わらず騒がしいが、それなりに平和である。
もう迷いたくないと、彼女は積極的に買い出しに付き合ったり、休み時間は散歩をしたりと地理を頭に叩き込んだ。特に下町は細い路地が多く入り組んで、わかり辛い。
ヴィオルドはあれから店に顔を出していない。ミーナにとって平穏な毎日だが、何かか(何かは分からないけれど)が少し物足りない気がする。しかしその感覚は幽かで、気のせいだったのかもしれない。
アデライドやレネとは、仲の良い友達になっていた。特にレネは彼女のことが気に入ったらしく、よく懐いている。ミーナもミーナで自分をしっかりと持っている彼を尊敬しており、懐かれていることを嬉しく思う。
ことあるごとにお互いの店へ行き来し、会話に花を咲かせていた。
「えー! ありえないよ、それ! で、ミーナはどうしたの?」
「それでね、私はその客に『迷惑だ』ってはっきり言ってやったの!」
「だよねー。ボクだってそんな客、お断りだよ」
今日も空いてる時間を見計らって来たレネに、彼女は迷惑な客についての愚痴を盛大にぶちまける。
もう迷いたくないと、彼女は積極的に買い出しに付き合ったり、休み時間は散歩をしたりと地理を頭に叩き込んだ。特に下町は細い路地が多く入り組んで、わかり辛い。
ヴィオルドはあれから店に顔を出していない。ミーナにとって平穏な毎日だが、何かか(何かは分からないけれど)が少し物足りない気がする。しかしその感覚は幽かで、気のせいだったのかもしれない。
アデライドやレネとは、仲の良い友達になっていた。特にレネは彼女のことが気に入ったらしく、よく懐いている。ミーナもミーナで自分をしっかりと持っている彼を尊敬しており、懐かれていることを嬉しく思う。
ことあるごとにお互いの店へ行き来し、会話に花を咲かせていた。
「えー! ありえないよ、それ! で、ミーナはどうしたの?」
「それでね、私はその客に『迷惑だ』ってはっきり言ってやったの!」
「だよねー。ボクだってそんな客、お断りだよ」
今日も空いてる時間を見計らって来たレネに、彼女は迷惑な客についての愚痴を盛大にぶちまける。