魔法の使い方
 ミーナはユリウスと共に向かっている最中。

 この辺りの人達は、城下の人達と比べるとやはり身なりが違う。働きやすい格好や機能性を重視した格好が多く、繊細なレースや豪勢なフリルをあしらった服は少数だ。

「着いたよ」

 ミーナの目の前にあったのは、小ぢんまりとしたレンガ造りのお店。ユリウスが窓つきのドアを引いて中へ入って行く。

 二人を出迎えてくれたのは、十代前半くらいの可愛らしい店員だった。

「いらっしゃいませ~。ユーリだぁ。久しぶり」

 肩で切り揃えたハニーブロンドの髪、青空を映した瞳。青いエプロンドレスを着ていて、童話から出てきた少女のようである。

「久しぶり、レネ。アデライドはいるかな?」
「ボク呼んでくるねー!」

 レネは元気よく返す。くるりと回って、奥へ走っていった。
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