その瞳に騙されて
この家に上がるのは二回目だけれど、大きすぎる玄関に驚いてしまう。

『あの〜麻子さん、私に教えてくださる先生は塾長ですか?』

「塾長に教えてもらいたいの?」

『え……あっ、はい。できれば。もし無理でも……女の先生がいいです。』

「ごめんね!!どっちの希望も無理なのよ。塾長は受験生三人も教えてて忙しくて、女の先生も時間割が埋まってて空いてないの。本当にごめんなさいね!!でも、莉乃ちゃんの担当になる先生は教え方は上手いし、優しいから大丈夫よ。心配しないで!」

『あっ、そうなんですか。わかりました。大丈夫です!』
とは言ったものの、どうしよう〜少し不安だよ。




「この間も来たから知ってるかもしれないけど、ここが休憩所。リビングみたいなところよ!!さぁ、入って-。」

カチャ

綺麗な廊下のつきあたり、リビングらしき部屋にとおされた。
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