へたれライオン 卒業します

｢恋に百戦錬磨の奏多様が
　お前と春名をくっつける作戦を考えた！｣



生徒会長がライバルだよ・・・

勝てないよぉ・・・


と泣き言をいい続けた結果
奏多は何か良い案を
思いついたらしい



奏多が女を100％落としてきたのは
99％お前の顔だよなと思うが

俺には他に頼れる相手も
素の自分を出せる相手もいないから

奏多にすがることにした



｢名づけて『ギャップ萌え大作戦』だ！！｣



｢ギャップ萌え？？


ムリムリムリムリ！！

俺にギャップなんてないし｣



｢いいや！

尊にはギャップだらけだ！｣



俺に春名がキュンとくるギャップが
あるとは思えない



やっぱり
顔で女をゲットする奏多に
相談したのが間違いだったのか・・・



｢尊は
女に弱みを見せたくないって
おもってるだろ｣



｢そりゃ　まぁ｣



｢女みたいって言われるから
　得意の料理や裁縫とかも
　隠してんだろ｣



｢そんなみっともない姿
　みせたくないし｣



｢俺は
　尊が忙しい親手伝って家事したり

　妹や弟の面倒を見てることも

　学校では頼りがいがある
　王子さまキャラ通してるのに

　俺の前ではダメダメ甘甘なところも
　お前の魅力だと思うけどな｣



なんだそれ？


ダメダメで
女がするようなことを得意なんて
俺の欠点でしかないじゃん



でも奏多は
そんな俺を受け入れてくれてたんだなと思うと
心がじーんと暖かくなった



春名にも
素の自分を好きになってもらいたい



｢わかったよ
奏多の作戦に賭けてみる｣



俺がそう言うと
満足げな優しい笑みを
奏多は浮かべた



｢こうなったら
キャップ萌え大作戦を成功させて
へたれライオンを卒業するぞ！！｣