入道雲はいらない
突然そう聞かれ驚いたが、理由を話した。
そしたら、家に誘われた時点で覚悟はしていたけど、意識もしていたけど。
こんなに急だとは思わないじゃないか。
なにせ入道雲が好きな理由を話した直後なのだから。
いきなり部屋にあるベッドに押し倒された。
心臓の鼓動がどんどんスピードをあげていく。
「へぇ、そんな理由が。上もいいけどさ、たまにはこっちも見ろよ、柚。」
先輩、急な名前呼びは反則です。
「...はい」
「ふっ、かわいいやつ」
なんか、ムカつく。
「でも流石に早すぎるよ、雅。」
いろんな意味を込めて言ってみた。
案外名前呼びも悪くないと、不覚にも思ってしまった。恥ずかしかったけれど。