香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
なぜか私の前にしゃがみ込む彼を見て目を丸くした。
「乗れ」
低い声が私に命じるが、素直に従うことは出来なかった。
悪い人達ではなさそうだけど、会ったばかりの人に甘えるのはちょっと気が引けるし、誰にも知られずに屋敷を出たいのだ。
「いいです。私、重いですから、このまま置いていってくだ……!?」
「いいから、乗れ」
有無を言わさぬ声に、ビクッとなる。
「は、はい」
慌てて返事をして、仕方なく彼の背中に身を預けた。
この人……人を従わせることに慣れている。
でも、この背中、広くて温かいな。
「アレンがおんぶするこたねえだろ。俺がその女担ぐ」
サイモンが私を見てそう主張するが、アレンは私をおろさなかった。
「だったら、彼女の荷物を頼む。お前に彼女を運ばせると、川にでも放り投げそうだからな」
「乗れ」
低い声が私に命じるが、素直に従うことは出来なかった。
悪い人達ではなさそうだけど、会ったばかりの人に甘えるのはちょっと気が引けるし、誰にも知られずに屋敷を出たいのだ。
「いいです。私、重いですから、このまま置いていってくだ……!?」
「いいから、乗れ」
有無を言わさぬ声に、ビクッとなる。
「は、はい」
慌てて返事をして、仕方なく彼の背中に身を預けた。
この人……人を従わせることに慣れている。
でも、この背中、広くて温かいな。
「アレンがおんぶするこたねえだろ。俺がその女担ぐ」
サイモンが私を見てそう主張するが、アレンは私をおろさなかった。
「だったら、彼女の荷物を頼む。お前に彼女を運ばせると、川にでも放り投げそうだからな」