香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
クスッと笑って返答すると、クルミは真面目な顔で訴えた。
「……なんか納得いきません、キスって大事なものでしょう?」
「キスに相当こだわりがあるな。だが、安心しろ。ちゃんと気持ちはこもってる」
悪戯っぽく目を光らせる俺の言葉に彼女はキョトンとした。
「は?」



「なんでアレンと部屋が一緒なんですか?」
風呂に入った後、クルミは侍女に俺の寝室に連れて来られ、俺に噛み付いた。
「クルミの部屋にネズミが出たらしい」
そう説明するが彼女は不審顔。
「ネズミ?」
本当はネズミなど出ていない。
ただ、クルミにまた城出される恐れがあるから、侍女に命じて俺の寝室に来させた。
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