香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
私とアレンの式は一週間後。
王都はすでにお祭りムードで、アレンと馬車に乗って出かけると、アレンと私の絵が街中に飾られていた。
セシル様は私達の式の準備を手伝ってくれていて、一度オスロンに帰国されたのだけど、昨日の夜このドレスを持って再びパルクレールにやって来た。
彼女は私のことをとても可愛いがってくれる。
このドレスだって、私のことを考えてデザインや生地にうるさく注文をして作ってもらったとか。
でも……私、あと一週間で元いた世界に帰るんです、セシル様。
彼女の優しい笑顔とその見事なドレスを見ると、チクンと胸が痛くなった。
「さあ、着てみなさい」
セシル様が私に近づき、侍女と一緒に服を脱がせる。
「わ〜、セシル様までお手伝い頂く訳にはいきません!」
慌てて自分もドレスを脱ごうとしたら、ビリッと布が破ける音がした。
「あっ」と間抜けな声を出す私。
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