香りであなたを癒やします ー 王太子殿下、マッサージはいかがですか?
ボーッとする私を見て、彼がプッと噴き出した。
「そんな顔してると、男に襲われるぞ」
「だ、だってこんな近くに……あなたの顔があるから」
激しく動揺しながらそんな言い訳をしたら、彼は私の目を見てクスッと笑う。
「昔は気位の高いお嬢さんだったが、本当に変わったんだな」
え?
ひょっとして私の正体知ってるの?
「親友のヴィクターの話では頭を打って記憶を失ってるって話だし、一応自己紹介しておこうか。私はアレン・ギルフォード・ディローレンティス。パルクレール国の王太子で、君の婚約者だ」
礼儀正しく挨拶する彼の言葉にゴクッと息を呑む。
その目は楽しげに笑っていて……。
やっぱり私の正体バレてる。
「いつから私がラフォリア公爵の娘だと気づいたんですか?」
フードで顔は見にくかったはずだし、いくら公爵家の娘でもそう頻繁に王太子殿下と顔を合わせる機会はなかったはずだ。
「そんな顔してると、男に襲われるぞ」
「だ、だってこんな近くに……あなたの顔があるから」
激しく動揺しながらそんな言い訳をしたら、彼は私の目を見てクスッと笑う。
「昔は気位の高いお嬢さんだったが、本当に変わったんだな」
え?
ひょっとして私の正体知ってるの?
「親友のヴィクターの話では頭を打って記憶を失ってるって話だし、一応自己紹介しておこうか。私はアレン・ギルフォード・ディローレンティス。パルクレール国の王太子で、君の婚約者だ」
礼儀正しく挨拶する彼の言葉にゴクッと息を呑む。
その目は楽しげに笑っていて……。
やっぱり私の正体バレてる。
「いつから私がラフォリア公爵の娘だと気づいたんですか?」
フードで顔は見にくかったはずだし、いくら公爵家の娘でもそう頻繁に王太子殿下と顔を合わせる機会はなかったはずだ。